賃金計算、賃金の支払い方は労働基準法により決められています。
■ 賃金支払の5原則
労働基準法において賃金の支払い方は下記の5つの事項を守るよう定められています。
①通貨払い
賃金は通貨で支払うことになっているので、小切手、現物で支払うことは認められていません。
金融機関への振込みも通貨払いに違反していることになります。
ただし、本人の同意があれば可能です。
しかし、本人が同意しなかった場合は、通貨で支払うしかありません。
②直接払い
賃金は直接本人に支払わなければいけません。
たとえ家族であっても支払うことはできません。
金融機関に振込みをする場合は、必ず本人名義の口座に振り込むことが必要です。
③全額払い
賃金は必ず全額を支払わなければいけません。
賃金から控除できるものは、社会保険料、所得税、住民税のみです。
旅行積立金等を控除する場合は、労使協定にてその旨を定めておく必要があります。
④毎月払い
賞与等を除いた給与は毎月1回以上支払わなければなりません。
⑤一定期日払い
賞与等を除いた給与は毎月決められた期日に支払わなければないません。
「毎月第2週の火曜日」など日が特定できないものは違反となります。(「毎月月末」は認められています。)
■ 割増賃金(残業代)の正しい支払い方
労働基準法によって割増賃金(残業代)について下記のように定められています。
①時間外労働をさせたとき
法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて働いた時間が対象(変形労働時間制採用の場合を除く)
割増率:2割5分以上
仮に所定労働時間が7時間の事業所において8時間働いた場合、所定労働時間を超えた1時間につき割増で支払う必要はありません。
ただし、通常の時間単価1時間分の支払は必要です。
②休日労働させたとき
法定休日(1週1休または4週4休)に働いた時間が対象
割増率:3割5分以上
仮に土、日が休日の事業所において土曜に休日労働した場合、日曜が休みである限り、3割り5分以上の割増賃金を支払う必要はありません。
ただし、土曜出勤をすることにより、1週の労働時間が40時間を超える場合は、超えた時間については2割5分以上の割増賃金を支払う必要があります。
③深夜労働
深夜(午後10時から午前5時)に働いた時間が対象
割増率:2割5分以上
④時間外労働+深夜労働
深夜に時間外労働をした時間が対象
割増率:5割以上
⑤休日労働+深夜労働
休日の深夜に働いた時間が対象
割増率:6割以上
*休日に法定労働時間以上働いた場合でも、深夜にならない限り割増率は3割5分以上のままになります。
■ 遅刻、早退の控除
遅刻、早退の時間分につき賃金を控除する場合は問題ありませんが、それに罰則を設けると労働基準法に違反する可能性が高くなります。
労働基準法第91条 減給の制裁
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。
「遅刻3回で1日欠勤」の違法性
月給252000円(時給1500円、1日の所定労働時間8時間)の従業員が1賃金支払期に30分の遅刻を3回した場合、12000円控除することは違法となります。
控除可能額は8250円{2250円(750円×3)+6000円(12000円÷2)}が最高額となります。
切り上げ控除の違法性
遅刻、早退を10分、30分単位に切り上げて控除することは賃金の全額払いに反し、違法となります。
例 25分遅刻 → 30分遅刻 ×
25分遅刻 → 20分遅刻 ○
■ 給与からの控除
給与からは所得税、住民税、社会保険料のみ控除することが法律で認められています。
旅行積立金等その他のものを控除する場合は、従業員代表者と労使協定を結ぶ必要があります。
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